「肩がこっているので、肩に鍼をしてください」

そう言われることがよくあります。お気持ちはよくわかりますし、もちろん肩のこりにはアプローチします。

ですが当院では、施術に入る前に必ず脈診・腹診という東洋医学独自の診察を行います。なぜそんなことをするのか、今日はその理由をお話しします。

① 局所だけに鍼を打つということ

「気になる場所だけに鍼を打って終わり」という施術スタイルがあります。これは決して悪いことではありません。施術時間も短く済み、効率的に多くの方を診ることができます。

💬 実際によく聞く声

「いつも同じ場所に鍼を打たれるだけで、なぜこるのか説明されたことがない」
「置き鍼をされて、他の方の施術中に放置されている時間が長かった」

こうした施術スタイルにも一定の効果はあります。ただ、「なぜそこがこっているのか」という根本原因にアプローチできていない場合、効果が長続きしないことがあります。

② なぜ全身を診る必要があるのか

東洋医学では、体は一つのつながったシステムだと考えます。肩のこりも腰の重さも、表面に出ている症状の裏には必ず原因があり、その原因は症状の出ている場所とは違うところに隠れていることが多いのです。

🔍 局所の症状の裏にあるもの(例)

😣
肩こり
姿勢の崩れ・自律神経の乱れ・内臓の疲労が関係していることがあります。
😰
腰の重さ
骨盤の歪みだけでなく、消化器系の不調や冷えが影響していることがあります。
😮‍💨
なんとなくの不調
自律神経のバランスが乱れ、複数の症状が同時に出ていることがあります。

つまり「症状の出ている場所」と「原因のある場所」が違うことが珍しくありません。だからこそ、症状の場所だけを診て終わるのではなく、全身の状態を確認することが大切だと考えています。

腹診の図解

③ 脈診・腹診とは何をしているのか

当院では施術前に必ず2つの診察を行います。

🩺 脈診・腹診とは

🫱
脈診
手首の脈を診て、体全体の気血の流れ・自律神経のバランス・内臓の状態を推測します。脈の速さ・強さ・深さなど多くの情報を読み取ります。
🤲
腹診
お腹を触診し、内臓の働きや気血の偏りを確認します。お腹の張り・冷え・硬さなどから、体質や不調の根本原因を探ります。
脈診の様子

この2つの診察によって、症状として出ている場所だけでなく、体全体の状態を把握した上で施術方針を決めることができます。仰向けで脈診・腹診を行い、その後うつ伏せで肩・腰など気になる場所にアプローチする——これが当院の基本的な施術スタイルです。

④ 当院の施術の流れ

具体的には、このような流れで施術を行っています。

📋 当院の施術ステップ

1.カウンセリングで症状・生活習慣をお聞きする
2.仰向けで脈診・腹診を行い、全身の状態を確認する
3.診察結果をもとに、その日の施術方針を決める
4.うつ伏せで気になる場所(肩・腰など)に鍼灸・マッサージでアプローチする
5.施術後、セルフケアのアドバイスをお伝えする

この一連の流れに約45分〜60分かけています。決して効率的とは言えないかもしれませんが、「なぜ」を理解した上で施術することが、繰り返さない体づくりにつながると考えているからです。

これは他院を否定するものではありません。施術の目的やスタイルは院によって様々で、それぞれに良さがあります。ただ、当院は「全身を診てから施術する」というスタイルを大切にしています。

⑤ まとめ

📌 この記事のまとめ

  • 症状の出ている場所と原因のある場所は違うことが多い
  • 脈診・腹診で全身の気血の流れ・体質を確認する
  • 仰向けで診察→うつ伏せで施術という流れを大切にしている
  • 「なぜ」を理解した上での施術が、繰り返さない体づくりにつながる

「いつも同じ場所だけ施術されて、なぜこるのか説明されたことがない」という方は、ぜひ一度当院の施術を体験してみてください。