「肩こりがひどい日は痛み止めを飲む」「腰が痛いときはとりあえずロキソニンを飲んでいる」
そういう方、実は多いと思います。私も鍼灸師として患者さんとお話をしていると、慢性的な痛みに対して長期間痛み止めを服用しているケースをよく耳にします。
痛み止めはつらい痛みを和らげてくれる大切な薬です。ただ、長期・過剰な服用にはリスクがあるということも、知っておいていただきたいのです。
① NSAIDsとは何か
痛み止めの中でも特によく使われるのがNSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる薬です。正式名称は「非ステロイド性抗炎症薬」といいます。
💊 NSAIDsの代表的な薬
- ・ロキソプロフェン(ロキソニン)
- ・イブプロフェン(イブ・アドビル)
- ・ジクロフェナク(ボルタレン)
- ・ナプロキセン(ナイキサン)など
市販薬・処方薬の両方に含まれており、頭痛・腰痛・肩こり・生理痛など幅広い痛みに使われています。
これらの薬は炎症を引き起こす「プロスタグランジン」という物質の合成を抑えることで痛みや熱を和らげます。効果が高く即効性があるため、多くの方に日常的に使われています。
② NSAIDsと腎臓の関係
NSAIDsが腎臓に影響を与える可能性があることは、医療の世界では広く知られています。
プロスタグランジンは痛みに関わるだけでなく、腎臓の血管を広げて血流を保つ役割も担っています。NSAIDsがこの物質を抑えることで、腎臓への血流が低下する可能性があります。
📋 医学的に指摘されているリスク
- ・長期・過剰な服用による腎臓への血流低下
- ・脱水状態での服用によるリスクの増大(特に夏季)
- ・慢性的な使用による腎機能の緩やかな低下の可能性
※短期間・用法用量を守った使用においては、一般的に問題が少ないとされています。
もちろん、処方された通りの服用量・期間を守っていれば、多くの場合は問題ありません。問題になりやすいのは、痛みのたびに自己判断で服用を続ける「長期・過剰な使用」です。
③ すべての痛み止めが同じではない
「痛み止め=腎臓に悪い」というわけではありません。NSAIDsとは別の種類の解熱鎮痛薬もあります。
NSAIDs
ロキソニン・イブなど
- ・炎症を抑える効果が高い
- ・即効性がある
- ・腎臓・胃への影響に注意が必要
アセトアミノフェン
タイレノール・カロナールなど
- ・腎臓への影響が比較的少ない
- ・胃への刺激も少ない
- ・過剰摂取は肝臓に影響の可能性
どちらの薬も、用法用量を守った適切な使用が大前提です。「どちらが安全か」は症状や体の状態によって異なりますので、長期的な服用を考えている場合は必ず医師・薬剤師にご相談ください。
④ 特に注意が必要な方
すべての方が同じリスクを持つわけではありませんが、以下の方は特に注意が必要とされています。
⚠️ NSAIDsの服用に注意が必要とされる方(一般的な医学情報として)
- ✓高齢の方(腎機能が低下しやすい)
- ✓高血圧・糖尿病・心不全のある方
- ✓脱水気味の方(夏場は特に注意)
- ✓もともと腎機能が低下している方
- ✓利尿薬など他の薬を服用中の方
上記に当てはまる方で慢性的な痛みがある場合は、必ず主治医にご相談ください。
また、季節的には夏場の脱水状態での服用がリスクを高めることが指摘されています。「痛み止めを飲むときは水分をしっかりとる」ということは、一般的に推奨されています。
⑤ 薬に頼らないケアの選択肢として
「では痛みはどうすればいいの?」と思われた方のために、薬以外のアプローチとして鍼灸・マッサージという選択肢をご紹介します。
あくまでも選択肢のひとつとして読んでいただければ幸いです。
🪡 鍼灸・マッサージという選択肢
鍼灸は血行を促進し、筋肉への酸素・栄養の供給を改善します。慢性的な痛みの多くは血行不良が関係しており、根本にアプローチすることを目指します。
ストレスや緊張が慢性痛の一因になることがあります。鍼灸は副交感神経を優位にし、体のリラックスを促します。
手技では届かない深層の筋肉に鍼でアプローチします。慢性的な肩こり・腰痛の多くは深部の筋肉の緊張が関わっています。
鍼灸・マッサージはすべての痛みに対応できるものではありませんし、痛み止めが必要な場面もあります。大切なのは、「薬だけに頼る」のではなく、痛みの根本原因にもアプローチすることだと考えています。
特に慢性的な肩こり・腰痛で長期的に痛み止めを使っている方は、ぜひ一度ご相談ください。
⑥ まとめ
📌 この記事のまとめ
- ✓NSAIDs(ロキソニンなど)は長期・過剰な服用で腎臓への血流が低下する可能性がある
- ✓すべての痛み止めが同じではなく、アセトアミノフェンは腎臓への影響が比較的少ない
- ✓高齢者・高血圧・脱水状態の方は特に注意が必要
- ✓用法用量を守った短期間の使用であれば多くの場合は問題ない
- ✓薬に頼らないケアの選択肢として、鍼灸・マッサージという方法もある
- ✓服薬に不安がある場合は必ず医師・薬剤師に相談を
「痛みが出たら飲む」を繰り返している方、一度体の根本にアプローチしてみませんか。光市でお待ちしています。